ジョニー・ライデンという男について②

君はジョニー・ライデンという男を知っているか

 前回のブログから引き続きジョニー・ライデンという男について徹底的に調べていくことにする。

 前回用いた資料は

 ①機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン

 ②マスターアーカイブ機動戦士ガンダムMSV エースパイロットの軌跡

であったので、今回はよりジョニー・ライデンにフォーカスを当てている作品である

 ③機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還から、ジョニー・ライデンを紐解いていく。

レッド・ウェイラインについて

 ジョニーを語るうえで切っても切り離せない存在が、このレッド・ウェイラインである。レッドは地球連邦政府の研究機関であるFSS(Federation Survey Service)に所属するテストパイロットである。FSSは戦時のMSなどを調査する「兵器群調査委員会」を前身に持つ組織である。(本筋からそれてしまうためFSSの説明は今後に回すことにする。)

レッド・ウェイライン(FSS所属) (ジョニー・ライデンの帰還1巻)

 レッドはUC0090年、ルナⅡでFA-78-1Bの評価試験中に「ジョニー・ライデン」と呼ばれ、そのことに興味を持ち調査を進めることとなる。

 その過程で元キマイラ隊のメンバーと接触したり、存在しないはずの記憶を垣間見るようになったりし、自分の存在に疑問を持ち始める。物語当初はジョニーと呼ばれることに対し腹を立てることも多かった(20巻時点では自身がジョニーではないと話している)が、21巻では、ユーマに話しかけられたときにジョニーとして対応しているところが垣間見える。現在もストーリーが続いているため、レッド=ジョニーなのかは不明だが、作中内でも言及されているようにジョニー・ライデンその人であると考えて間違いないだろう。

ジョニー・ライデン≒レッド・ウェイライン?

 前回のブログでも、ジョニーがア・バオア・クーでMIAとなった後のことについて話してきたが、本作品でもやはりジョニーはア・バオア・クーで死んではいなかったことが明かされた。6巻ではジル・ブロッケン・フーバー(ウェイライン)が一年戦争終結時にジョニーライデンの機体と思われる赤いMS-14Bと会敵した。(なぜか損傷が激しかった)

 戦闘後、ウェイライン少尉がゲルググコクピットを見に行くと腹部を怪我したジョニーが搭乗していた。ジョニーを救助後、ウェイライン隊は病院船にジョニーを運んだ。

 だが、運悪く戦闘に巻き込まれてしまい、ジョニーを収容していた区画にも被害が生じ、ジョニー・ライデンがどれなのか、生きているのかが分からなくなってしまった。そのため生存者の中でジョニー・ライデンの可能性が高い者をレッド・ウェイラインとして生き延びさせたのである。

ウェイラインとディドコッドの会話(ジョニー・ライデンの帰還12巻)

 以上が大まかなジョニー・ライデンとレッド・ウェイラインの関係性である。

 元キマイラ隊のメンバーの反応を見るにレッドとされていた人物がジョニー・ライデンであることには間違いがないだろうと思われる。

UC0090年時のジョニー(レッド)の足取りについて

 あまり詳しいことを書いてしまうとネタバレとなってしまうため、軽く記述していくこととする。

①本作で目的とされているのが、ミナレット及び「ザビ家の復讐装置」の争奪である。(全陣営共通)

地球連邦軍(ゴップ元帥)、ネオ・ジオンシャア・アズナブル総帥)、FSS(オクスナー・クリフ議員)の陣営の三つ巴戦である。

③ザビ家の復讐装置を手にするにはジョニー・ライデン、ヒュー・マルキンケルビン、エイシア・フェローの誰かが必要。

④ザビ家の復讐装置とは環境破壊兵器「アスタロス」である。アスタロスについて詳しくは(コロニーの落ちた地で)の解説の際に記述する。

 この物語の中で、レッドはキマイラ隊やオクスナーらFSSのメンバーとミナレット奪還及び自分を知るための戦闘に身を投じていく。(現在23巻まで出ており、本作も最終局面と思われる。)

資料③で描写されているジョニー・ライデンの搭乗機体の変遷

MS-14BMS‐14J(ゲルググ・ウェルテクス)MS-14J/BR(ゲルググ・ウェルテクス・テスタロッサ

(レッドの搭乗機体は含まない)

MS-14-J/BR ゲルググ・ウェルテクス・テスタロッサジョニー・ライデンの帰還 設定集)

資料①~③の比較

ジョニー・ライデンについての比較

 資料①、②に共通してみられるように、元々MSの操作に長けていた人物のようである。各作戦への参加記録も概ね同じと考えていいだろう。

一週間戦争→ルウム戦役→(しばらく不明)→ルナⅡ方面軍「プリムス艦隊」所属→キマイラ隊への招聘→ア・バオア・クー戦→MIA

とされる。

 記録が分かれているのが、一年戦争終結後である。

 資料①では、オーストラリア復興支援→宇宙での戦闘→故郷サイド3へ帰省とされ、

 

 資料②では、ア・バオア・クー戦で行方不明のまま軍籍を除籍とされ、

 

 資料③では、連邦軍に救助された後、FSSに所属したとされる。

 

その他のメディアでもア・バオア・クー戦での行方不明という説が主流であるようだ。

 どれが正解というわけではないが、こういった複数の人物像があるという設定をうまくまとめられたジョニー・ライデンの帰還はやはり優秀な作品であると考える。

ジョニー・ライデンの搭乗機体についての比較

 ジョニー・ライデンを語るうえで外せないのはやはり搭乗機体である。エースパイロットであるためか頻繁な機種転換を行っており、またどの機体も乗りこなす腕があったようだ。では各資料に出てくる機体を比較していこう。

資料① MS‐06CMS-06FMS-06R-2MS-14BMS‐06R-2 (フルバレットザク)ランド・ザックMS-06R-2

 

資料② MS-06CMS-06FMS-06S)→MS-06R-2MS-14B(MS-14C)

 

資料③   (不明)             MS‐14BMS-14JMS14J/BR

 

 資料①、②から見るに、一年戦争時はMS-06系を経て最終戦(キマイラ入隊時)からMS-14Bに乗り換えたと考えて間違いないだろう。

 一年戦争終結後は資料①、③で明確な差異があるがこれはどちらが正しいというものではないため、答えはないと考える。

 また、真紅の機体に乗っている理由は明らかではないが、一説によると敵から認識されやすく被弾しやすいためというものがある。困ったことに赤い彗星と同じパーソナルカラー(厳密には違うが)のため、敵味方両方から勘違いされることがあったという。

 ジョニー・ライデンはバズーカを好み、携行武器として選ぶことが多かったとされる。資料①ではMS-06C搭乗時にザクバズーカを持っているシーンがあり(C型のため核弾頭の可能性あり)、資料②では明確にバズーカを好んでいたという記述がある。また、筆者の推測になるが、MS-14Bでロケットランチャーを使用しているのも、このバズーカ好きが影響したからではないだろうか?

 余談とはなるが、ジョニー・ライデンMS-14Bの予備機であったとされるMS-14Cは実際に稼働しているところが目撃されており、一説によるとキマイラ隊所属のイングリッド0が搭乗していたのではないかとされている。

 上記作品以外にも彼に触れているものが存在する。

 ガンダムイボルブ9では、ジョニーという人物がカラバに所属し、赤いZガンダムに乗る予定だったことが話されている。(身体の不調のため叶わず、ユウリ・アジッサが代わりに搭乗した)

ジョニー・ライデンという男

 彼には様々な噂があり、今となっては何が正解なのかは誰にもわからない。ただ共通して言えることは、彼は紛れもないエースパイロットであったし、仲間にも慕われる人格者であったことだ。

 様々なメディアで彼の人となりが描かれているが、どれも間違いではなく、どれも彼の一部を明確に記しているだろう。今後さらにジョニー・ライデンに関する新たな資料が発見されるかもしれないが、そのときにはまた、他の資料と比較し彼についての研究を進めていこうと思う。

 

次回の研究対象はホワイト・ディンゴ隊(コロニーの落ちた地で)を予定している。今回取り上げた「ザビ家の復讐装置」に深く関わってくる話なので、ぜひ読んでいただきたい。

 

 参考にジョニー・ライデンが取り上げられていたバンダイのサイトをリンクとして貼っておきます。

ジョニー・ライデン(Johnny Ridden)|エース・パイロットログ [U.C.編]|バンダイ ホビーサイト (bandai-hobby.net)