ホワイトディンゴ隊について

君はホワイトディンゴ隊を知っているか

機動戦士ガンダム GROUND ZERO コロニーの落ちた地で(第1巻)

 前回予告した通り、本記事では一年戦争時のオーストラリア方面軍に展開する特殊MS遊撃部隊「ホワイトディンゴ隊」について解説していく。

 

 今回記事を書くにあたって参考にする資料は、

 

 角川コミックス・エースから出版されているコミック版の「機動戦士ガンダムGROUND ZERO コロニーの落ちた地で」

 

である。この作品は他にも小説やゲームなど、幅広くメディア展開されているが、この作品が一番最後に出たものであるため、他作品との矛盾なども生じにくいだろうと考え今回の資料とすることにした。彼らの活躍はゲームや小説でも知ることができるため興味のある人はぜひプレイ、購読していただきたい。

 

 では解説に移っていこう。

コロニーの落ちた地で

 まず、コロニーの落ちた地でについての解説を挟むことにする。

 UC0079年11月22日(ホワイトベース隊がベルファストにいる頃)、オーストラリア大陸連邦軍の大規模反抗作戦が開始。大陸内の重要な3か所のポイントに3つの主力部隊を送り同時攻撃を行い、一気に大陸全土を掌握しようという目的であった。

UC0079年11月22日 地球連邦軍によるオーストラリア大規模反抗作戦

 第一主力部隊「レッド・ポッサム」が大陸中央部のアリス・スプリングス方面

 

 第二主力部隊「グリーン・イキドナ」が大陸北部のダーウィン方面

 

 第三主力部隊「イエロー・クオッカ」が大陸南部のアデレード方面

 

 上記の主力部隊とは完全に独立して機能する特殊遊撃部隊が存在した。それが今回紹介する「ホワイトディンゴ」である。

※漫画版ではホワイトディンゴの所属する基地はトリントン基地と描写されているため、地図上に掲載。

ホワイトディンゴ隊の編成

MSの編成

・MS3機、ホバートラック(オアシス)1機の一個小隊。

  ジム(RGM-79)2機・ジムキャノン(RGC-80)1機→(RGM-79)ジム2機・(RX-77D)量産型ガンキャノン1機→(RX-77D)量産型ガンキャノン3機→(RGM-79SP)ジムスナイパーⅡ3機

 の順番で機種転換を行っている。

ホワイトディンゴ隊のメンバー

・マスター・P・レイヤー

 同隊隊長。中尉。元戦闘機パイロットであり、オーストラリア大陸出身。MSの操縦技術に長けているが、超人的な域ではなく、格闘よりも射撃に優れている。

 

レオン・リーフェイ

 少尉。元戦車兵であり寡黙な人物。不可解な言動などが多く、同隊メンバーらから疑いの目を向けられるが、実はジャブロー総司令部直属の諜報員であった。トリントン基地内に秘匿されている「核兵器」の防衛を主任務としている。

 

・マクシミリアン・バーガー(マイク)

 少尉。元軍楽隊であり、MS適性検査の結果パイロットに抜擢され、同隊に配備される。連邦軍プロパガンダ放送「DJ・ジャクリーン」の大ファンであり、自身のMSにも「ジャクリーン」と愛称をつけている。

 

アニタ・ジュリアン

 軍曹。ホバートラック(オアシス)を操縦し、MSパイロットをバックアップするオペレーター。

電子戦、情報戦に長けている。

 

・ボブ・ロック

曹長。ホワイトディンゴ隊のメカニック長。

 

・スタンリー・ホーキンス

 大佐。オーストラリア方面軍司令官であり、特務部隊であるホワイトディンゴ隊の直属の上司。レイヤーのことを深く信頼しているからこそ困難な任務を与えることもある。優秀な司令官。

 

・オリヴィア・グラント

 シドニー出身の地質学者。故郷がコロニー落としで消滅したため、軍人を憎んでいる。スタンリー大佐の命令でホワイトディンゴ隊に同行する。

 アスタロスの研究、開発に携わっていた。(兵器として研究される前の農業生産性向上を目的とした植物の開発)

ホワイトディンゴ隊の足取り

ホワイトディンゴ隊の足取りをスタンリー大佐のセリフなどから読み解いていく。同日に他の作品では何が起きていたのかも、時間軸を知るうえでの補助となるので記述していく。下図は大体の位置取りを示したものである。

 

ホワイトディンゴ隊の足取り

 

①レイヤー以下ホワイトディンゴ隊、トリントン基地着任(UC0079年11月22日)

新型機ジム(RGM-79)の受領。オリヴィア博士との接触。スタンリー大佐からの任務通達。

※RGM-79の配備本格化がUC0079年11月20日とされているため、ジャブローから直接ミデアで運搬されてきたと思われる。

同日、連邦軍のオーストラリア反抗作戦が開始。

 

②レインボゥ・ヴァレーへの出撃(UC0079年11月23日)

アリス・スプリングスに向かう主力部隊「レッド・ポッサム」の侵攻ルートに存在するレインボゥ・ヴァレーにジオン軍の対空砲台、防衛部隊の排除が任務。

MS‐06J戦。任務成功。

 

同日、ジオン公国突撃機動軍が「ニュータイプ部隊」設立。(機動戦士ガンダム

 

アリス・スプリングスへの出撃(UC0079年11月25日)

 「レッド・ポッサム」のアリス・スプリングス侵攻の支援。敵部隊への陽動、アリス・スプリングス南北に存在するトーチカの破壊が任務。なお、今回の任務ではアリス・スプリングスの民間人への被害は最小限に抑えなければいけないとされる。(アリス・スプリングス連邦軍にとっても重要な拠点であり、民間人から反感をもらうわけにはいかないため。)

MS-05MS-06JMS-07B戦。任務成功。(停戦)

 

シンプソンズ・ギャップへの出撃(UC0079年12月1日)

 ダーウィン基地から飛び立ったガウ攻撃空母に「レッド・ポッサム」が爆撃される可能性が出てきたため、シンプソンズ・ギャップにてガウ攻撃空母を待ち伏せ、これを破壊することが任務。

MS‐06Jマゼラアタックガウ攻撃空母戦。任務成功。

 

同日、公国軍大佐ノリス・パッカード戦死。(機動戦士ガンダム第08MS小隊

 

⑤キャリートン近郊への出撃(UC0079年12月18日)

 アデレード北部のキャリートン近郊に存在する鉱山基地の殲滅が任務。アデレード基地に存在するジオン軍の反抗が激しいため、戦力を減らしに行くことが目的とされる。任務の最中、不時着しようとする連邦軍の輸送部隊「オレンジ・アイビス」に遭遇。同隊が「ホワイトディンゴ」に運んできたRX-77Dに急遽搭乗。

MS-06JMS-07B戦。任務成功。

 

同日、「第11独立機械化混成部隊」がハミルトン基地へ到着。(機動戦士ガンダム外伝THE BLUE DESTINY)

 

アデレード基地沿岸暗礁地帯の警備任務(イエロー・クオッカとの共同任務)(UC0079年12月23日)

 アデレード基地に残る残党の掃討及び、アデレード沿岸に建造されているとされるジオンの未確認建造物の破壊が任務。レイヤーは「骨休めだ」と考える。

MS-06JMSM-03ユーコン級潜水艦戦。任務成功。

 

⑦ブロークン・ヒル鉱山基地への出撃(UC0079年12月25日)

 アデレード基地からヒューエンデンHLV基地へ移動するキシリア麾下の特殊部隊「マッチモニード」が、補給で立ち寄るブロークン・ヒル鉱山基地でこれを追撃することが任務。

 マッチモニードの擁する「アスタロス」は地球の環境を破壊しかねない環境破壊生物兵器であるため、極秘の任務とされる。あくまで「アスタロス」の確保が任務であって、破壊は極力避ける必要がある。(研究のため)

 また、「ホワイトディンゴ」に同行していたオリヴィア博士はこの「アスタロス」に対し造詣が深い。そのためスタンリー大佐はレイヤーにこの女性の同行を言い渡した。

 

MS-07B戦。任務失敗。(マッチモニードに遭遇しなかったため)

 

同日、公国軍「サイクロプス隊」の残兵であるバーナード・ワイズマン伍長が連邦軍の最新鋭機を大破させる。(機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争~)

 

⑧トリントン基地防衛任務(UC0079年12月26日)

 公国軍特殊部隊の「マッチモニード」がトリントン基地に秘匿されている「核兵器」の奪取を画策。トリントン基地の防衛に当たるはずのチャールビル基地がジオンの猛攻を受け、トリントン基地の救援に向かえない。そのため「ホワイトディンゴ」が「マッチモニード」の対処に当たる。

公国軍「月の階段」発令。オーストラリア全土からの撤退を開始。

MS-09戦。(任務成功)※ドナヒュー中尉の協力もあり。

 

同日、星一号作戦発令。(機動戦士ガンダム

 

⑨ヒューエンデン要塞破壊任務(UC0080年1月1日)

 ヒューエンデンHLV基地へ侵攻する際の障害となるヒューエンデン要塞の破壊が任務。

アッザム戦。任務成功。

 

同日、一年戦争終結。(機動戦士ガンダム

※オーストラリア方面軍に停戦合意の旨が伝わっていなかった。※

 

 

⑩ヒューエンデンHLV基地破壊、アスタロスの確保任務(UC0080年1月2日)

 打ち上げられる「アスタロス」の破壊、確保を最優先として基地への攻撃を開始。

「ホワイトディンゴ」に最新鋭機のRGM-79SPが届けられる。同機に機種転換。

ライノサラスMS-07BMS-14G(ドナヒュー機)戦。任務成功。

※「アスタロス」を搭載したHLVを破壊、オリヴィア博士立ち合いの元、これの消滅を確認。オーストラリア方面に存在していた「アスタロス」は排除される。

※任務成功はドナヒュー中尉や、公国軍、「ホワイトディンゴ」など様々な勢力の思惑が重なった結果であるため、単独での任務成功とは言えない。

 

以上が、「ホワイトディンゴ」の足取りである。

 

ホワイトディンゴ隊という部隊

 わずか1か月半の間にこれだけの作戦に参加し、戦果を挙げているため、エース部隊と言って間違いないだろう。作中内でも語られているが、パイロット1人1人の能力はこれといって秀でるものでは無かったが、それぞれのパイロットが相手を信頼し、連携していくことでこれだけの戦果を挙げることができたのだろう。

 「ホワイトディンゴ」のメンバーのその後はわかっていないが、一年戦争を生き残り、これだけの戦果を挙げているため、後年ティターンズ編入された可能性もあるだろう。(レイヤーは地球出身であるため特に可能性が高い)

 

 本記事ではホワイトディンゴの足取りのみを追ってきたが、作品内ではドナヒュー視点、マッチモニード視点など様々に分かれているため、より深く一年戦争時のオーストラリアの動きが読み取れる。また本ブログでも取り上げるかもしれないので楽しみに待っていていただきたい。

 

今回も長くなってしまったため、次回「アスタロス」についてまとめていこうと思う。

前回取り上げた「ジョニー・ライデンの帰還」とも深く関わってくるため、ぜひ読んでいただきたい。

 

 

 

 

 

 

ジョニー・ライデンという男について②

君はジョニー・ライデンという男を知っているか

 前回のブログから引き続きジョニー・ライデンという男について徹底的に調べていくことにする。

 前回用いた資料は

 ①機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン

 ②マスターアーカイブ機動戦士ガンダムMSV エースパイロットの軌跡

であったので、今回はよりジョニー・ライデンにフォーカスを当てている作品である

 ③機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還から、ジョニー・ライデンを紐解いていく。

レッド・ウェイラインについて

 ジョニーを語るうえで切っても切り離せない存在が、このレッド・ウェイラインである。レッドは地球連邦政府の研究機関であるFSS(Federation Survey Service)に所属するテストパイロットである。FSSは戦時のMSなどを調査する「兵器群調査委員会」を前身に持つ組織である。(本筋からそれてしまうためFSSの説明は今後に回すことにする。)

レッド・ウェイライン(FSS所属) (ジョニー・ライデンの帰還1巻)

 レッドはUC0090年、ルナⅡでFA-78-1Bの評価試験中に「ジョニー・ライデン」と呼ばれ、そのことに興味を持ち調査を進めることとなる。

 その過程で元キマイラ隊のメンバーと接触したり、存在しないはずの記憶を垣間見るようになったりし、自分の存在に疑問を持ち始める。物語当初はジョニーと呼ばれることに対し腹を立てることも多かった(20巻時点では自身がジョニーではないと話している)が、21巻では、ユーマに話しかけられたときにジョニーとして対応しているところが垣間見える。現在もストーリーが続いているため、レッド=ジョニーなのかは不明だが、作中内でも言及されているようにジョニー・ライデンその人であると考えて間違いないだろう。

ジョニー・ライデン≒レッド・ウェイライン?

 前回のブログでも、ジョニーがア・バオア・クーでMIAとなった後のことについて話してきたが、本作品でもやはりジョニーはア・バオア・クーで死んではいなかったことが明かされた。6巻ではジル・ブロッケン・フーバー(ウェイライン)が一年戦争終結時にジョニーライデンの機体と思われる赤いMS-14Bと会敵した。(なぜか損傷が激しかった)

 戦闘後、ウェイライン少尉がゲルググコクピットを見に行くと腹部を怪我したジョニーが搭乗していた。ジョニーを救助後、ウェイライン隊は病院船にジョニーを運んだ。

 だが、運悪く戦闘に巻き込まれてしまい、ジョニーを収容していた区画にも被害が生じ、ジョニー・ライデンがどれなのか、生きているのかが分からなくなってしまった。そのため生存者の中でジョニー・ライデンの可能性が高い者をレッド・ウェイラインとして生き延びさせたのである。

ウェイラインとディドコッドの会話(ジョニー・ライデンの帰還12巻)

 以上が大まかなジョニー・ライデンとレッド・ウェイラインの関係性である。

 元キマイラ隊のメンバーの反応を見るにレッドとされていた人物がジョニー・ライデンであることには間違いがないだろうと思われる。

UC0090年時のジョニー(レッド)の足取りについて

 あまり詳しいことを書いてしまうとネタバレとなってしまうため、軽く記述していくこととする。

①本作で目的とされているのが、ミナレット及び「ザビ家の復讐装置」の争奪である。(全陣営共通)

地球連邦軍(ゴップ元帥)、ネオ・ジオンシャア・アズナブル総帥)、FSS(オクスナー・クリフ議員)の陣営の三つ巴戦である。

③ザビ家の復讐装置を手にするにはジョニー・ライデン、ヒュー・マルキンケルビン、エイシア・フェローの誰かが必要。

④ザビ家の復讐装置とは環境破壊兵器「アスタロス」である。アスタロスについて詳しくは(コロニーの落ちた地で)の解説の際に記述する。

 この物語の中で、レッドはキマイラ隊やオクスナーらFSSのメンバーとミナレット奪還及び自分を知るための戦闘に身を投じていく。(現在23巻まで出ており、本作も最終局面と思われる。)

資料③で描写されているジョニー・ライデンの搭乗機体の変遷

MS-14BMS‐14J(ゲルググ・ウェルテクス)MS-14J/BR(ゲルググ・ウェルテクス・テスタロッサ

(レッドの搭乗機体は含まない)

MS-14-J/BR ゲルググ・ウェルテクス・テスタロッサジョニー・ライデンの帰還 設定集)

資料①~③の比較

ジョニー・ライデンについての比較

 資料①、②に共通してみられるように、元々MSの操作に長けていた人物のようである。各作戦への参加記録も概ね同じと考えていいだろう。

一週間戦争→ルウム戦役→(しばらく不明)→ルナⅡ方面軍「プリムス艦隊」所属→キマイラ隊への招聘→ア・バオア・クー戦→MIA

とされる。

 記録が分かれているのが、一年戦争終結後である。

 資料①では、オーストラリア復興支援→宇宙での戦闘→故郷サイド3へ帰省とされ、

 

 資料②では、ア・バオア・クー戦で行方不明のまま軍籍を除籍とされ、

 

 資料③では、連邦軍に救助された後、FSSに所属したとされる。

 

その他のメディアでもア・バオア・クー戦での行方不明という説が主流であるようだ。

 どれが正解というわけではないが、こういった複数の人物像があるという設定をうまくまとめられたジョニー・ライデンの帰還はやはり優秀な作品であると考える。

ジョニー・ライデンの搭乗機体についての比較

 ジョニー・ライデンを語るうえで外せないのはやはり搭乗機体である。エースパイロットであるためか頻繁な機種転換を行っており、またどの機体も乗りこなす腕があったようだ。では各資料に出てくる機体を比較していこう。

資料① MS‐06CMS-06FMS-06R-2MS-14BMS‐06R-2 (フルバレットザク)ランド・ザックMS-06R-2

 

資料② MS-06CMS-06FMS-06S)→MS-06R-2MS-14B(MS-14C)

 

資料③   (不明)             MS‐14BMS-14JMS14J/BR

 

 資料①、②から見るに、一年戦争時はMS-06系を経て最終戦(キマイラ入隊時)からMS-14Bに乗り換えたと考えて間違いないだろう。

 一年戦争終結後は資料①、③で明確な差異があるがこれはどちらが正しいというものではないため、答えはないと考える。

 また、真紅の機体に乗っている理由は明らかではないが、一説によると敵から認識されやすく被弾しやすいためというものがある。困ったことに赤い彗星と同じパーソナルカラー(厳密には違うが)のため、敵味方両方から勘違いされることがあったという。

 ジョニー・ライデンはバズーカを好み、携行武器として選ぶことが多かったとされる。資料①ではMS-06C搭乗時にザクバズーカを持っているシーンがあり(C型のため核弾頭の可能性あり)、資料②では明確にバズーカを好んでいたという記述がある。また、筆者の推測になるが、MS-14Bでロケットランチャーを使用しているのも、このバズーカ好きが影響したからではないだろうか?

 余談とはなるが、ジョニー・ライデンMS-14Bの予備機であったとされるMS-14Cは実際に稼働しているところが目撃されており、一説によるとキマイラ隊所属のイングリッド0が搭乗していたのではないかとされている。

 上記作品以外にも彼に触れているものが存在する。

 ガンダムイボルブ9では、ジョニーという人物がカラバに所属し、赤いZガンダムに乗る予定だったことが話されている。(身体の不調のため叶わず、ユウリ・アジッサが代わりに搭乗した)

ジョニー・ライデンという男

 彼には様々な噂があり、今となっては何が正解なのかは誰にもわからない。ただ共通して言えることは、彼は紛れもないエースパイロットであったし、仲間にも慕われる人格者であったことだ。

 様々なメディアで彼の人となりが描かれているが、どれも間違いではなく、どれも彼の一部を明確に記しているだろう。今後さらにジョニー・ライデンに関する新たな資料が発見されるかもしれないが、そのときにはまた、他の資料と比較し彼についての研究を進めていこうと思う。

 

次回の研究対象はホワイト・ディンゴ隊(コロニーの落ちた地で)を予定している。今回取り上げた「ザビ家の復讐装置」に深く関わってくる話なので、ぜひ読んでいただきたい。

 

 参考にジョニー・ライデンが取り上げられていたバンダイのサイトをリンクとして貼っておきます。

ジョニー・ライデン(Johnny Ridden)|エース・パイロットログ [U.C.編]|バンダイ ホビーサイト (bandai-hobby.net)

 

ジョニー・ライデンという男について①

君はジョニー・ライデンという男を知っているか。

 本記事では機動戦士ガンダムMSV‐Rの登場人物であるジョニー・ライデンを様々な作品を基に紐解いていこうと思う。

参考として使用した資料

機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン

②マスターアーカイブ 機動戦士ガンダムMSVエースパイロットの軌跡

機動戦士ガンダムMSV-R ジョニー・ライデンの帰還

 

図1 ジョニー・ライデンと目される人々の写真(ジョニー・ライデンの帰還第1巻)

 上に載せた画像はジョニー・ライデンの帰還第一巻の74頁に描かれているものになります。この画像からもわかる通り、ジョニー・ライデンという人物は非常にたくさんの人物像があり、謎に包まれた存在である。

 ここからは上記した資料を基にジョニー・ライデンという人物の過去を解説していく。

資料①に描写されているジョニー・ライデン像について

 ジョニー・ライデンはUC0077年に22歳で国防軍に志願入隊したとされている。しかしジョニー本人は戦争が嫌いであり、その理由は「ザビ家が嫌いだから」というものだった。(志願入隊も父親が勝手に行ったものであった。)

 ただジョニーは幸か不幸か何をしても成績が優秀、結果一週間戦争(UC0079年1月3日~1月10日)に曹長としてザクⅡ(MS‐06C)で参加。初陣の際に全身を赤く塗れとメカニックに指示を出すが、撃墜される危険性が高まるとして止められる。(ミノフスキー粒子の存在から有視界戦闘が主なため。)

 ※何故ジョニーは機体を赤く染めたかったのか?

 実は、早めに被弾し負傷兵となり、戦地から遠ざかりたいという気持ちからだった。もとより撃墜されることを目的として突っ込んでいったこと、連邦軍がMSを見るのが初めてだったこと、ジョニーがMSの操縦に長けていたことなどが重なり、戦果を挙げることとなる。続くルウム戦役(UC0079年1月15日~1月16日)でも戦艦三隻撃沈などの戦果を挙げ、大尉に昇進。またザクⅡ(MS‐06F)を受領し、真紅の稲妻と呼ばれるパーソナルカラーに染め上げた。(目立って撃墜されるため)

 こんな性格のため、数々の問題行動を起こし左遷されることになる。(連邦軍のルナⅡ補給路方面へ)そこで高機動型ザクⅡ(MS‐06R‐2)を受領。(全4機製造という大変貴重な機体)更なる戦果を挙げることとなる。

ア・バオア・クー最終決戦時のジョニー・ライデン

 公式記録ではジョニーは高機動型ゲルググ(MS-14B)に搭乗しMIAとなる。これは様々に存在するジョニーの資料の中でも珍しく共通している点だろう。

 だがこのっ作品の中ではジョニーが生きていたとされている。救助してくれた艦に残っていたMSに乗り、再出撃を果たした。そのMSがこの作品の表紙にもなっているフルバレットザクである。

フルバレットザク(機動戦士ガンダムMSV戦記 ジョニー・ライデン

 その後、この機体を駆り、フルアーマーガンダム(FA‐78‐1)と戦闘。その後MIAとして終身中佐となる。

 

 一年戦争終結後のジョニー・ライデンの足取りに関して

 UC0082年にオーストラリアにて、目撃情報がある。シン・マツナガが彼に会いに行った記録が非公式に残っている。ジョニーはオーストラリアで復興支援を行っていたが、シンに召集されまた宇宙に上がることとなる。

 一年戦争末期に進められたジオン次期MS開発計画にて設計された機体群があった。プランAがビーム兵器携行機体の開発、Bが実弾性能向上機体の開発、Cが単機で戦局をひっくり返す超高性能機の開発である。資材に限りがあるという理由で廃案となったプランCの提案者Dr.Qは、パーフェクトザクを完成させ、ジオンに牙をむくようになった。その処理にシンとジョニーは向かったのである。その戦闘でジョニーは死んだとされている。ただ後年、彼らしき人が故郷に帰ってきたという話もある。

資料①で描写されているジョニーライデンの機体の変遷

MS-06CMS-06FMS-06R-2MS-14BMS-06R-2(フルバレットザク)ランド・ザックMS-06R-2

 

資料②に描写されているジョニー・ライデン像について

 ジョニーは由緒正しい家系の生まれで、父親はジオン共和国の議員であったとされる。UC0078年22歳の時に国防軍に志願入隊。その後一週間戦争(1月3日~1月10日)に参加したが、目立った戦果は挙げられていないとされる。乗機はザクⅡ(MS-06C)であった。

 1月14日未明からのルウム戦役では三隻の戦艦を沈める戦果を挙げた。早期撤退であったため、もう少し長く戦場に残っていれば戦果はさらに伸びたであろうと噂されている。その後にザクⅡ(MS-06F)に機種転換。(MS-06-Sという説もある)

 長らくジョニーの動向は不明慮であったがUC0079年8月初旬にア・バオア・クーに召喚され、第8パトロール艦隊「プリムス艦隊」に配属された。これに伴って少佐に昇進している。またその際に彼は新型を受領している。それが総生産数4機の高機動型ザクⅡ(MS-06R-2)である。

 プリムス艦隊は直ちにルナⅡ方面に向かい敵補給艦殲滅任務についた。プリムス艦隊は様々な戦地で多くの戦果を挙げた。

 UC0079年10月下旬、「エース部隊」の創設が進められる。創設の理由に関しては様々な説があり、明確な理由はわかっていない。

 ヒュー・マルキンケルビン大佐以下に31名のエースが集められ「キマイラ」が創設される。ジョニーもその中の一人。

 

 キマイラ隊の編成

旗艦であるザンジバル級「キマイラ」、ザンジバル級「サングレ・アスル」、ムサイ級3隻、プラント艦「ミナレット

ア・バオア・クー最終決戦時のジョニー・ライデン

 キマイラ隊に関して詳しいことはわかっていないが、ジョニーの高機動型ゲルググ(MS-14B)が戦場で目撃されている。「キマイラ」は連邦軍に拿捕されるが、そこにジョニーの姿はなかったとされる。終身中佐、軍籍から除籍。

高機動型ゲルググ(MS-14B) (マスターアーカイブMSVエースパイロットの軌跡)
資料②で描写されているジョニー・ライデンの機体の変遷

MS-06CMS-06F(MS‐06S)MS-06R‐2MS-14B

 

長くなってしまったため、資料③に関しての解説は次回に回すことにします。

各作品の比較なども次回行います。